量子化学概論(三回生配当)
統計熱力学(大学院)
2020年度以降の講義資料などはPandAおよびKULASISを参照してください。
参考書について
時々、参考書を教えて欲しいという希望があります。シラバスにもありますが、
それ以外にも私自身が勉強したもの、参照してみたもの、現在でも使っているものなどの一部を参考までに列挙しておきます。
図書館等で手に取ってみて、ぴったりくるものを探して、これと決めた教科書に鉛筆片手に取り組んで下さい。
なんしろ式を眺めるだけや、機械的にノートに写すだけでは無意味です。
また一方で、一冊の中でも記述が丁寧で良い所、そうでも無い所と疎密もありえます。適度に必要箇所を拾い読みする鷹揚さも有効だと思います。
物理化学(量子化学など)
- ムーア物理化学(東京化学同人)、アトキンス物理化学(東京化学同人)
- 概観する上で重要です。ただし、物理化学全般をカバーしているために、どうしても深く丁寧な議論は難しい。
- マッカーリー・サイモン物理化学(東京化学同人)
- 非常に厚いですが、それだけに丁寧です。是非チャレンジしてみて欲しい一冊。
- 初等量子力学(原島鮮著、裳華房)
- 比較的平易な記述で、式の導出が丁寧だと思います。演習問題も含む。
- 初等量子化学(大岩正芳著、化学同人)
- 化学に関連する話題を数多く盛り込んでいます。式の導出が丁寧で全般に平易。
- 量子化学(原田義也著、裳華房)
- 「初等量子化学」と似たスタンスですが、少し踏み込んだ内容も含む。但し、最近改訂版が出て、
こちらは内容が大きく変わっています。
- 化学を学ぶ人のための量子力学(宮原豊著、培風館)
- コンパクトで、基本的な式の導出が丁寧です。
- 基礎物理化学(培風館)
-
すこしレベルの高い本としては
- 「オーソドック」と言われる量子力学の教科書
- (ランダウ・リフシッツ/メシア/シッフ/ダビドフ/朝永振一郎など)
- どれが好きかは好みも分かれるところだと思います。
- 現代の量子力学(J. J. 桜井著、吉岡書店)
- 目から鱗、と思うところが多々ありました。
- ファインマン経路積分と量子力学(ファインマン・ヒッブス、みすず書店)
- 昔勉強して、美しさにちょっと感動しました。但し解析力学を知らないと辛い。
- 量子力学(福井謙一著、朝倉書店)
-
- 大学演習 量子力学(裳華房)
- 古典とも言うべきオーソドックスな本だが、レベルは高め。
おまけ
- 物理入門コース 解析力学(小出昭一郎著、岩波書店)
- 古典力学のより深い理解で、量子力学を眺める視点も変わります。
コンパクトで平易なので、ざっと復習してみるだけでも非常に意義深いと思います。
化学数学
- 化学者のための数学十講(大岩正芳著、化学同人)
- 最低限必要な事項を列挙している化学徒にとって実践的な点で、他に(容易に入手できる)類書を知りません。
- 代数計算による微分方程式(金田・菅野著、東海大学出版会)
- 機械的に解いて行く、という立場で、自習し易い本です。
佐藤啓文 hirofumi [at_mark] moleng.kyoto-u.ac.jp