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プログラム


8月5日

14:30〜 林 重彦(イリノイ大)
「ロドプシン光受容タンパク質の構造・反応・動力学そして機能」
ロドプシン光受容タンパク質をめぐる次の問題に対して、ab initio QM/MM MD 法 などを用いた理論的研究を発表する。(1) 吸収波長制御機構(2) レチナールのタンパ ク質中での光異性化動力学(3) bR のプロトンポンプ過程の初期状態
16:00〜 岡崎俊也(名大理)
「金属を内包したフラーレンと、フラーレンを内包したナノチューブ」
新たな機能性材料として、フラーレンやカーボンナノチューブは最も期待される物 質のひとつです。本講演では、新しいナノ炭素材料創製の試みとして、金属内包フラ ーレンやフラーレン内包ナノチューブについて、これまでに判明していることと、こ れから期待できることについて話したいと思います。

8月6日

8:30〜 長谷川淳也(京大工)
「光合成反応中心の電子・プロトン移動」
光合成細菌における電子移動および プロトン移動とカップルした電子移動につい ての、これまで研究のreviewをしたいと思います。 1. SAC-CI法の簡単なreview 2. SAC-CI法を用いた反応中心の励起状態の解析 3. SAC-CI波動関数を用いた電子移動の経路選択性の解析 4. Bacteriopheophytinからubiquinoneへの電子移動のenergetics 5. Hydroquinoneの生成過程:proton transferのenergetics
10:00〜 松下道雄(東工大理工)
「単一分子分光でみたタンパク質」
一分子の発光検出が可能になり、励起スペクトルや偏光依存性といった一分子の分 光測定も盛んに行われています。光合成細菌の色素タンパク複合体について、タンパ ク質一個の分光で何が明らかになったかをご紹介します。時間があれば、酸化酵素の 反応速度揺らぎと構造揺らぎを一分子の発光検出で追う、というトピックスも簡単に 紹介できれば、と思っています。
11:30〜 杉田有治(東大分子細胞生物学研)
「拡張アンサンブル法による蛋白質の折れ畳みと機能の解析」
新しい拡張アンサンブル法の開発とその蛋白質折れ畳み問題に関する応用に関して 紹介する。
16:00〜 真島 豊(東工大理工)
「ナノメカニカル単一電子システムにおける単一電子計測と負性微分抵抗の観察 」
分子はナノメートルオーダーの揃った大きさであり、電荷を担うことが可能なエネ ルギー準位を有し、しかもやわらかいという特徴があります。ナノスケールの分子を 用いた電子デバイスには、単一電子デバイスやトランジスタなどがあり、現在活発に 研究開発が進められています。本講演では、私のさきがけ研究の成果である、単一電 子デバイスにおいて量子化した電子数を走査型振動プローブを用いて直接計測する手 法について発表させて頂くと共に、単一電子素子において分子のやわらかさに起因し て負性微分抵抗が観察された実験結果について紹介させて頂きます。
20:00〜 丸山茂夫(東大工)
「アルコールCCVD法による単層ナノチューブの低温合成と分子シミュレーション 」
単層ナノチューブの生成法として,レーザーオーブン法とアーク放電法にくわえて, 触媒CVD法が注目されている.この触媒CVD法によってアルコールを炭素源とすると従 来になく低温で高純度の単層カーボンナノチューブが簡単に生成できることがわかっ た.この実験に加えて,触媒CVDによる単層ナノチューブの生成メカニズムを解明す るために進めている分子動力学法シミュレーションについて講演する.

8月7日

8:30〜 今井隆志(立命館大総合理工)
「分子の体積―部分モル体積と溶媒和の理論―」
講演では、部分モル体積を理論的に(統計力学の手法で:具体的にはKirkwood- Buff理論とRISM理論で)求める方法を説明します。そして、それをイオンやアミノ酸 に適用した結果を紹介します。また、イオンの部分モル体積および圧縮率と水和の関 係について、Frank-Wenの水和モデルと対比しつつ議論します。
10:00〜 石島秋彦(名大工)
「光測定手法を用いた生体分子の1分子計測」
生体分子の運動を,1分子で,水溶液中で,リアルタイムで,観察・計測するシス テムの開発を行ってきました.これらのシステムを用いて生体分子のエネルギー変換 のメカニズムを解明していきたいと思っています.


作成:2002年7月25日